アジア・太平洋戦争 (岩波新書 新赤版 1047 シリーズ日本近現代史 6)吉田 裕
岩波書店 刊
発売日 2007-08
この間の歴史研究の成果を集大成 2007-09-17
対英米開戦から終戦までの時期を、出来事(事件)を追いかけつつ、要所要所で戦争をめぐる「論」を整理して叙述されており、事実関係とそれがどんな意味を持っていたかという問題とが分かりやすくなっています。
また、日本の「加害」の問題はもちろん、国民が受けた被害、とくに無数の兵士がこうむった犠牲にも目が向けられています。実際に戦争を体験された世代の方が「あの戦争は何だったんだろう」と思って読まれても、十分期待にこたえるものになっていると思います。
本書を読んで、あらためてこの間の歴史研究が非常に大きな成果を上げ、蓄積してきたことを実感しました。著者は、そうした成果に広く目を配りながら、太い筋でアジア・太平洋戦争とはどんな戦争だったのかをえがきだしています。
ともかく戦争について知りたい、勉強したいと思っている若い世代にも、あの戦争は何だったのかふり返ってみたいと思っている年配の方にも、お薦めの1冊です。
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