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ネットはテレビをどう呑みこむのか? (アスキー新書 16)ネットはテレビをどう呑みこむのか? (アスキー新書 16)
歌田 明弘
アスキー 刊
発売日 2007-06-09



新しそうで新しくない議論の集成 2007-07-08
「放送と通信の融合」について、著者の論考を示した本。前半で主に語られているのは、「ハードディスク録画でテレビはCMスキップで見られて、民放のビジネスモデルはやばい」というのと、「動画投稿サイト・ユーチューブの隆盛で著作権はどうなる」というもの。今まで散々語られた議論なので、この間の議論を追ってきた人には今更感のある内容かも。著者の主観は入っているが、「放送と通信の融合」論を理解したい人には、分かりやすくて手助けになる。「放送と通信の融合」って新しそうなテーマだが、注目されるようになったのはニッポン放送の買収騒動が持ち上がった2年前だから、話題としてはもう古くなってるんだなと、逆に感じてしまった。



ところで、終章になってイラク人質事件について、なぜか教えている大学生に朝日と読売の社説を読み比べさせる。そして、ルモンドの記事やTBSのパウエル長官会見を提示して朝日寄りに誘導。人質家族を異常という日本は、海外から見たら異常なんだそうで。それ以前のページで「ネットがあれば、誰でも情報発信者。数があれば質が確保される」と書いたのに、その後で一時の感情で沸騰するネット世論の圧力が心配だという、陳腐な大衆社会批判で終わっている。なんと尻すぼみな…


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