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熱湯経営―「大組織病」に勝つ (文春新書 586)熱湯経営―「大組織病」に勝つ (文春新書 586)
樋口 武男
文藝春秋 刊
発売日 2007-08



本当に素晴らしい師弟経営者たち。 2007-09-18
創業者であり、著者の人生の師である石橋信夫氏、その弟子である経営者の樋口武男氏の、同行二人の日々。素晴らしいお二人に、またその様々な局面での決断にただただ敬服する。「ひらめ社員」「大組織病」「豊かボケ」の脱却に会社を熱湯にしたということだが、現実にはなかなかぬるま湯は熱湯に出来ない。それをここまで実行できる樋口氏に完全に脱帽だ。途中入社した若き日から樋口氏の行動力は、出来る営業マンをはるかに超え驚嘆そのものだ。長たる者の「四つの力」、特に統率力(つまり率先垂範、無私で、その背中を部下に見せる)と、人間力(つまり風貌姿勢も含めて何とも言えない人間的魅力だろう)を会社幹部に植え付けたいものだ。更に人間の能力の差は「やる気」の差であり、報・連・相の前に明るい挨拶、思いやり、整理整頓、こういう当たり前で簡単な、かつ重要なことの積み重ねが基本であることを再確認した。熱湯にする方法はわかっても、その変革、行動、実行はとてもすぐには真似できない。同時に真に感動した。


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ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学 (PHP新書)ツキの法則―「賭け方」と「勝敗」の科学 (PHP新書)
谷岡 一郎
PHP研究所 刊
発売日 1997-07



冷静になれない人のための良書。 2006-10-12
統計学を学びきちんと考えて見れば当たり前のことが書いてある。

ただその当たり前に考えられないのがギャンブルである。



これはギャンブルというもの、ひいては余暇をいかに過ごすか、自分の人生の中で遊びをどう捉えるのか

について、筆者が現状を憂い書いた本だと思う。



期待値や控除率に関しては細かい数字ではないけれど大まかには知っていたので驚かなかった。

やはり宝くじは悪い商売をしていて、意外にパチンコは地道に頑張っているのかな、とは思ったが。



斬新なのはその視点で、絶対に負ける方法からギャンブラーの心理を捉えるなど、実際コントラクト・ブリッジ

という競技でかなりの腕である筆者の文は説得力があった。ただギャンブルにのめり込んでいる人は

多くが心理的にわかっていてもやめられない状態であり、やはりギャンブルに入る前にこういった本で

冷静に言い聞かせることが必要だろう。





また



「宝くじを買い求める人は夢を買う、というよりは自分の社会的地位を変えたくて宝くじにすがる、

そしてそういった人は低所得者だったり、あまり勉強をしてこなかった人に多い。」



という言葉は衝撃的だった。

確かに彼らは夢を追いかけているが、その夢とは1億円なりを手に入れた姿で、そうなることによって、

現状を劇的に変えられることを夢見ているのだ。





ただその夢の大部分は実際は広告費や公共事業に消えていくことになるが・・・・。



あとがきとその周辺に書いてある遊びへの哲学とギャンブル関係の文に名を載せる学者に対しての思い、

ロジェ・カイヨワの遊びと文明の文章は必読です。


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即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)
大前 研一
PHP研究所 刊
発売日 2006-04



語学力・財務力・問題解決力そして… 2007-09-12
今後どのように社会が変化していくか。

そして、その社会に対応するにはどういった能力が必要か。

が、この本の大きな主旨です。

一応、本書内では答えとして、語学力・財務力・問題解決力をあげ

それについて説明されています。

しかし、この著者が一番読者に伝えたいことは

「自分で何が大切なのかを考える力」ではないかと私は考えました?

現代の社会は絶え間なく変化しています。

この社会を生き抜くには、自分で考えることが何よりも必要だと思いました。


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現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書 (659))現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書 (659))
岩田 正美
筑摩書房 刊
発売日 2007-05



人権と連帯の問題として 2007-09-28
 福祉政策を専攻する1947年生まれの女性研究者が、2007年に刊行した本。現在日本では、欧米から10年遅れで、格差社会論の延長線上に貧困が「再発見」されつつある。貧困とは、ある生活状態をあってはならないものとして社会が価値判断することによって「発見」され、その解決を社会に迫るものである。それゆえ、その定義や基準は多様であり(最低生活費以下、社会的剥奪状態、社会的生存費用以下、相対所得貧困基準以下等)、貧困の境界をめぐる社会的な議論が避けられない。基準次第では隠された貧困も可視化される。また、貧困の固定化の程度も重要な検討課題であり、貧困のダイナミックス分析は不可欠である。統計データが限られる中、著者は貧困経験調査によって、現代日本では低学歴、未婚・離婚、転職のような、標準型から外れた不利な状況を共有する特定の人々が、特に貧困への抵抗力を欠くことを実証し、また豊かな社会においても、貧困が病気、自殺・孤独死・火災死、多重債務、重度の児童虐待と、依然として密接な関連性を持っていることを強調する。また日本の社会保障が、徹底した保険主義ゆえに、これに代わる所得保障を手薄なままに放置し、結果的に諸制度の谷間にいる、働ける年齢層の貧困に対処できていないことも指摘される。著者は、現行の貧困ライン引き下げ政策に反対し、せめて貧困を一時的なものにとどめるために、上記の不利な人々への積極的優遇策をとるべきことを提案し、そのための多様な具体策を挙げ、それがひいては私たちの社会の社会統合や連帯にも寄与し得るものであることを強調する。本書は貧困問題についての基本概念を整理し、著者自らも関わった調査データに基づいて、現代日本の貧困の諸相について手堅く平易に論じており、社会福祉に関心のある人には必読の文献と言えよう。


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