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現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書 (659))現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書 (659))
岩田 正美
筑摩書房 刊
発売日 2007-05



人権と連帯の問題として 2007-09-28
 福祉政策を専攻する1947年生まれの女性研究者が、2007年に刊行した本。現在日本では、欧米から10年遅れで、格差社会論の延長線上に貧困が「再発見」されつつある。貧困とは、ある生活状態をあってはならないものとして社会が価値判断することによって「発見」され、その解決を社会に迫るものである。それゆえ、その定義や基準は多様であり(最低生活費以下、社会的剥奪状態、社会的生存費用以下、相対所得貧困基準以下等)、貧困の境界をめぐる社会的な議論が避けられない。基準次第では隠された貧困も可視化される。また、貧困の固定化の程度も重要な検討課題であり、貧困のダイナミックス分析は不可欠である。統計データが限られる中、著者は貧困経験調査によって、現代日本では低学歴、未婚・離婚、転職のような、標準型から外れた不利な状況を共有する特定の人々が、特に貧困への抵抗力を欠くことを実証し、また豊かな社会においても、貧困が病気、自殺・孤独死・火災死、多重債務、重度の児童虐待と、依然として密接な関連性を持っていることを強調する。また日本の社会保障が、徹底した保険主義ゆえに、これに代わる所得保障を手薄なままに放置し、結果的に諸制度の谷間にいる、働ける年齢層の貧困に対処できていないことも指摘される。著者は、現行の貧困ライン引き下げ政策に反対し、せめて貧困を一時的なものにとどめるために、上記の不利な人々への積極的優遇策をとるべきことを提案し、そのための多様な具体策を挙げ、それがひいては私たちの社会の社会統合や連帯にも寄与し得るものであることを強調する。本書は貧困問題についての基本概念を整理し、著者自らも関わった調査データに基づいて、現代日本の貧困の諸相について手堅く平易に論じており、社会福祉に関心のある人には必読の文献と言えよう。


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