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ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
梅田 望夫
筑摩書房 刊
発売日 2006-02-07



売れるのは今だけ! 2007-09-26
 売れるのは今だけ、あと2年もすればこんな本なんて誰も振り向きもしないだらうと思わせる極めて「超」現代的な本。しかし、中身は「メッチャ」濃い。「ロングテール」なんて言葉は、ほとんどの日本人はこの本で始めて知り、一度か二度、聞いたことのある者も、初めてその正確な意味を理解したのではないだらうか。梅田は、職業柄当然ではあるが、ウェブ社会を非常に好意的に受け止め、将来的にも順風満帆のように受け取ってはいるが、様々な反論もある。ウェブ社会の未来について、否定的な面はほとんど書いていないし、また梅田本人は気にも止めない様子であるのが、少々異常ではある。だから、売れるのは今だけなのだ。


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2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)
西村 博之
扶桑社 刊
発売日 2007-06-29



ウェブ進化論の理想論に対する“ベタな現実”を直視すれば本書 2007-09-30
本当に「2チャンネルが潰れない理由」を知りたければ、冒頭の結論だけを

読めば十分。社会的制裁も恐れず、何のしがらみもなく行っている

限りには、潰れない運営は十分可能なのでしょう。



それよりも、本書がおもしろいと感じたのは、ネットの未来像を把握したい

と思うときに本書がその未来像の片方の極論を見事に言い当てている点に

あると思う。反対側の理想論は、梅田望夫氏の「ウェブ進化論」。それに

対して、ひろゆき氏のスタンスはベタな現実なのだ。実際世の中は、その

理想論とベタな現実の間でせめぎ合っている中で、ネットの未来を考える

上ではぜひとも本書にも目を通してほしいと感じた。



本書では、CGMも、Web2.0も、バッサバッサと切り捨てられていますが、

中でも個人的にもっとも共感できたのは、APIの公開について「ユーザー

にこんなに便利なものを提供している、でも俺らより儲けたら潰すぜ」

というサービスなんです、と言っているところ。また、googleの著名な

標語である「Don't be evil」は、いつか「evil(悪)」になることに気が

ついていて、標語自体がエクスキューズや言い訳かもしれないと書かれて

いる点にも共感できました。



「ウェブ進化論」がなんか違うと思ったら、意外と共感できるところが

多いと思います。


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「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)
岡田 斗司夫
筑摩書房 刊
発売日 2007-06



この著者ならではの本 2007-09-29
最近は国民的アニメ(または特撮)がないためか、題材は「ドラゴンボール」「北斗の拳」「バビル2世」

「仮面ライダー」「レインボーマン」…、新しくても「ふしぎな海のナディア」でしょうか。

それでも1991年とのこと…、30歳代半ば以降の方でないと楽しめないかもしれません。

軽いタッチでちょっとした時間つぶしによい本です。

題材のおもしろさに星4つ、内容に星3つ。



後半、歴史上の世界征服?をめざした人物や現在の独裁者にも言及しているが、

それをめざしている進行形?の人物にもスポットをあてていたらもっとおもしろいのでは。



ヤクザになる人はみなその頂点をめざしているのか?

さんまや紳助、みのもんたはどのような世界をめざしているのか?

小泉さんは今後どうしたいのだろう?



「他者を出し抜く」のが短期目標で、その後の目標としてすべてを勝ち抜いた後の世界を

イメージできている人は、どのような世界とそこにある自身を想像するのだろう?

なんてことも考えてしまった。




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下流社会 第2章  なぜ男は女に“負けた下流社会 第2章 なぜ男は女に“負けた"のか (光文社新書)
三浦 展
光文社 刊
発売日 2007-09-14



うまい! 2007-10-05
さすがは確信犯的(誤解の意味の悪い意味で)なベストセラー作家と出版社。

三流インテリ読者が喜びそう。以下のマイナスポイントも計算通りだろう。

内容は低俗で面白いから、これから週刊誌やテレビなどにガンガン出る。

血液型や星占いと同じく、遊び感覚で読めば面白い。

オレももっと低俗になるぞ!


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米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)
米原 万里
集英社 刊
発売日 2007-08



非常に学ぶところの多い作品 2007-09-28
この人の文章は読ませます。今回も一気に読んでしまいました。この本の中にも出てきますが、同時通訳として活躍した作者の経歴がそうさせるのかもしれませんが、当意即妙な言葉の選び方が、文章を生き生きとさせています。ユーモアまじりの語り口が、それに輪をかけているようです。

内容は、男女の性について書かれた「愛の法則」と、「国際化」という言葉を通しての日本人の考え方について、そして、同時通訳の経験を通しての通訳という仕事と言葉の問題についてです。

面白かったのは、男性と女性についての「サンプル論」です。確かに、そんなことも言えるのかなと思いながらも、半信半疑になってしまいました。でも、この論に従えば、納得の行くことが多いんですよね。

同時通訳については、私も実際にお世話になったことがあるので、非常にご苦労が良く解りました。

この中で、チェコでのロシア人学校での国語の教育の仕方については、なるほど良く出来ているなと思いました。日本での国語の授業もこれを取り入れれば、もっと理解力のある子供たちが増えるだろうなと思いました。

その他にも、参考になることが一杯散りばめられていて、非常に学ぶところの多い作品でした。


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