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幻夜幻夜
東野 圭吾
集英社 刊
発売日 2007-03



繰り返し…… 2007-06-19
東野圭吾の本は実に読みやすい。あれよあれよというまに話が勝手に展開していくから。
本書も一気に読みとおせた。読者を飽きさせずにこれだけのページを引っ張るのはスゴイと思う。
でも…「白夜行」の二番煎じというか、やはり前作がよかったからこの作品は続編だと思いたくないなぁ。
前作は、行間から滲み出てくる切なさとか白夜の中での二人の絆の強さとか、色々と想像をかきたてられる伏線がいっぱいあってもう完璧だったのに、わざわざ繋がりを持たせた続編をつくらなくても…完結編が出たらまた評価は変わるかもしれないけど。
今作のファムファタルというべき美冬。はっきりいって周りの男は簡単に振り回されすぎではないだろうか。美人で頭がいいのかもしれないけど、本書では傲慢さが所々かいま見えてウンザリしたし、ここまでする?と思う位残酷。なのにストーリーはうまく行きすぎる位美冬に都合よく進んでいくし、謎が解けていく過程もテンポが良すぎて緊迫感の欠けらもない。ご都合主義な感じが全面に出てしまっていた気がする。
本作は、完全に独立した作品として「白夜行」とは別物として読む事もできるけど、白夜行が好きな人以外は特に読むほどじゃないと思う…単に傲慢で残酷な悪女に振り回される男の話だから。
とはいいつつも、完結編が読みたい気持ちは止められない。笑。


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