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理科系の作文技術理科系の作文技術
木下 是雄
中央公論新社 刊
発売日 1981-01


調査報告、出張報告、技術報告、研究計画の申請書など、好むと好まざるとにかかわらず、書かなければならない書類は多い。
このような書類を書く際にまず考えるべきことは、それを読むのは誰で、その文章から何を知りたいと思っているかである。それに応じて自分は何について書くか主題を決め、最終的にこういう主張をする、という目標を定めて書き始める。
著者はまず、この目標を1つの文にまとめた目標規定文を書くことを勧める。そうすることで明確な目標意識を持つことができ、主張の一貫した文章を書くことができるというわけである。そしてその目標をにらみながら材料をメモし、序論、本論、結論といった原則に従って記述の順序や文章の組み立てを考え、すっきりと筋の通った形にしていく。本書では本論の叙述の順序、論理展開の順序、パラグラフの立て方から文の構造までを解説し、日本人に特有の明言を避ける傾向と対策、事実と意見の書き分けについても触れている。
実際に著者が書いたメモや論文の一部など具体例がふんだんに盛り込まれており、わかりやすい。いかに簡潔な表現で筋の通った主張をし、読む人を納得させることができるか。理科系ならずとも、論理的に思考し文章化することは、常に求められる能力である。本書ではそれに必要な技術、フォーマット一般が整理されており、参考になる。多少語調が古い感じもするが、それも再版を重ね、多くの人に読まれている証であろう。(宮崎 郁)

20年以上前に書かれたとは思えない良書です。 2007-06-07
仕事のために書いて他人に読んでもらう文書を作る際の

心得がまとめられています。

20年以上前に書かれたとは思えない良書です。



主題(本書では「目標規定文」と堅苦しいが)から書いて

全体を構成する方法が紹介されており、僕には新しい視点

でした。事前に頭の中が整理されていれば、キーワードを

列挙して構成しなおすより早い書き方になりそうです。



「理科系の」という観点では、事実と意見を十分に精査

することと、少々くどいと思っても論理の輪(因果関係)

を省いてはならないことが強調されています。

いずれも、特に調査レポートの報告時に意識したいと

再認識しました。



20年以上前に書かれたとは思えない良書です。


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